サランの目標

日本でも海外にならって各地で福祉型専攻科大学は次々と設立されていますが、まだまだニーズは満たされていません。

ここ福島にも高校卒業後「もっと勉強したい」という青年、「愛する息子・娘にキラキラした青春を送らせてあげたい」という保護者の方々がたくさんいらっしゃいます。

その要望に応え、ここ福島で開校するにいたりました。

<サランの理念>

障がいを持つ青年に学びの場を創造し、そこで働く職員、地域の人々と共に

未来に希望を持ち、いきいきとした生活を実現する

<サランの目標>

1.主体性を持つ

・自分の意志や判断で動き、その行動に責任を持つ

・与えられた学びだけでなく、自分でやりたい学びを選択しチャレンジする

・自分が好きなことを見つける

2.自主性を持つ

・指示されなくても、決められているルールは守る

3.自己肯定感を高める

・人から助けてもらうばかりでなく、自分も人を助けることができるという自信を培う

・相手を思いやる心を持ち、他の人と共同する喜びを知る

4.視野を広げる

・閉ざされた世界から一歩踏み出し、さまざまなものと出会う

5.社会的自立への足がかりをつかむ

・社会で適応していくための知識やコミュニケーション能力を身につける


<代表の言葉>

 

社会と地域への奉仕として

私は韓国をはじめとする国際交流や、地域ぐるみで地域活性化に取り組んできました。そこで培った人的ネットワークは強く優しく、何ものにも代え難い宝物であることを実感しました。その20年以上の活動を経て私は地域へ恩返しをすべく福祉分野で社会に奉仕したいと考えました。

 

遅れている日本の制度

フランスに住む私の親族は重い障がいを持っています。けれど彼は良質の教育を受け、希望に満ちた明るい暮らしをしています。海外では既に障がい者教育において先進的な制度が確立されています。それと比較すると日本は遅れていると言わざるを得ません。

 

定着率の低さが課題

先に述べている通り、障がい者の青年の多くは、勉強できる学校がなく進学を諦めています。また就職したとしても定着率が低くいったん会社を辞めてしまうと再就職先が見つからなかったり、自信喪失で引きこもったりしてしまうケースがあります。その理由として、障がい者に限ったことではないものの、「18歳で社会に出るには教育年数が少ない」「社会のルールがわからなかった」「職場の人とうまくコミュニケーションできなかった」などが挙げられます。

 

障がいのある子を持つ保護者の切実な願い、卒業後の進路は?

保護者の方々も年齢を重ねていきます。いつまで子どもの面倒を見ていられるか、自分達が亡き後子どもの生活はどうなっていくのか不安を感じている方は少なくありません。「子どもの社会的自立」を強く切望しているのです。

そこでサランでは、次のステップである「社会に出る」ための4つの方策を考えています。

 

①「スタッフによる親身なサポート」

卒業を控えた学生達に、自分が何がしたいかの意向を聞きます。まだ何がしたいかわからない・自分にできることはないと思っている学生には2年の学校生活の中で見てきた一人ひとりの光る才能や能力を伝え、就労に向けた適切なアドバイスをします。それは卒業後でも変わりません。

②「農業という就労」

近年活発化している「農福」。これは農業と福祉が連携した双方にメリットがある取り組みです。農家の超高齢化による働き手不足の解消、障がい者にとっては働き口の創出が期待できます。B型就労所と少し異なるのは、障がい者が本当に求められている場で働けることです。それは彼らのやる気につながります。

運営母体であるふくかんねっとは、数年前から農業に着目し近隣の耕作放棄地を借り、地域農家の協力を得ながら作物栽培をし収穫を行っていますが、ここでも学生達の若い力を求めています。はじめは微力であっても土に触れ収穫の喜びを知ることは自己実現になるでしょう。

③グループ会社飲食店での就労

サランのグループ会社では、東日本大震災後人々の心を癒すためにオープンした「FUKUKANいやしカフェ」という飲食店を経営しています。ここで厨房の手伝い、配膳、テイクアウトの弁当作り、清掃等を手伝ってもらい、一般的な仕事の流れ、職場の人との付き合い方を経験していきます。

④地域ネットワークからの求人

前述した通りふくかんねっとは20年以上の実績において、様々な業種の企業、学校、官公庁、メディア、市民と幅広くお付き合いがあります。そこに「こんな有能な人材がいます」とアピールし、雇用先を見つけることが可能です。

 

 SDGsの理念に沿った目標を掲げて

近年、持続可能な社会をつくるため全世界でビジョンとしているSDGsは、“誰⼀⼈取り残さない”社会の実現を基本理念としています。あらゆるすべての⼈に健康的な⽣活や質の⾼い教育、平等なチャンスを与えられ、人間らしく働き続けられる社会~まさしくサランが目指す目標と合致します。

私たちは、障がいがあっても、未来への希望を持っていきいきとした人生を歩んでいくためのサポートを全力で行っていくことを誓います。